夏風邪
一般に夏風邪と呼ばれる症状の中には、注意するべき感染症が隠れていることがあります。
そこで、夏場に感染する3つの病気についてそれぞれ解説していきます。
夏場に感染する病気として、1.手足口病、2.ヘルパンギーナ、3.プール熱の3種類が広く知られています。
1.手足口病
最初に出る症状は口の中の痛みです。口内には白いポツポツが生じ、これが外見的に判別できる最初の症状となります。ただし普通の口内炎とは異なり、手のひらや手の甲、足の裏、さらに手足の指の間にも白い水疱ができます。個人差はありますが、口内の発疹には痛みやかゆみが出やすい反面、手足の発疹は痛みやかゆみを伴わない場合が多くなります。
熱が出たとしても38度以下の微熱で終わることが多く、手、足、口の水溶性発疹が主な症状と言えます。
潜伏期間はウイルス感染から3~5日程度で、多くは自然に治癒しますが、まれに髄膜炎、脳炎などの中枢神経系合併症を起こすこともあるため、初期症状を見逃さないことが大切です。
2.ヘルパンギーナ
特徴的な症状は、以下の3つです。
イ.突然、38~40度の高熱が出る
ロ.口内炎や水疱ができる
ハ.喉や口蓋垂(のどちんこ)に炎症が起こる
ヘルパンギーナでは、突然の発熱とともに喉の奥の方が赤くなり、炎症を起こします。ほとんどの場合、2~3日以内には熱が下がりますが、喉の痛みがひどく、食事を飲み込めないこともあります。
このほか、倦怠感や関節の痛みが出たり、発熱の刺激により6歳未満では熱性痙攣を起こしてしまったりする場合もあります。首の痛み・頭痛に加えて吐き気・嘔吐の症状がみられた場合は髄膜炎を疑ってください。
3.プール熱
主な症状は、結膜炎、咽頭痛、発熱の3つです。
(ただし、3つの症状が全て現われてこない不完全なケースもあります。)
急な発熱で発症し、咽頭炎によるのどの痛みが現われます。
また、結膜炎に伴って、充血、目の痛み、かゆみ、目やに、まぶしくなったり涙が止まらなくなったりします
(流行性角結膜炎で見られるような、角膜の濁りがでることはほとんどありません)。
このほかにも「腹痛、下痢、咳」を伴うこともあります。
これらの症状は3~5日程度続きます。
基本的に予後の良い疾患ですが、まれに肺炎など重症化することがあり注意が必要です。
これらの病気は予防薬やワクチンがないため完全に防ぐのは不可能です。
合併症を起こす症例は稀で、基本的には風邪と同じように数日安静にしていれば徐々に軽快します。
手足口病のほとんどは軽度の症状だけで済むため、それほど恐れる必要はありませんが、日頃から可能な範囲で、手洗いなどの衛生管理について教えてあげることが、唯一、最大の予防策となるでしょう。
歯科では、歯のお掃除で綺麗にすることで
病気を予防します。
もし病気になった場合は症状を
軽くするように、歯のお掃除をします。