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歯の役割「体の姿勢やバランスを保つ」

今回は、体の姿勢が大事な運動(スポーツ)を例に挙げてみます。

からだに栄養を取り入れるためには、よく噛んで食べることが基本です。歯とお口の健康は、全身の健康のために大切ですが、からだを動かすためにも、健康な歯と咬み合わせが重要であることがわかってきています。
スポーツをするとき、十分に力を発揮するためにも歯とお口の健康が欠かせません。

一流のアスリートの間では、歯を大切にすることが常識となっています。例えば、海外で活躍しているプロサッカー選手が、かかりつけの歯科医院で歯の治療を受けるためにわざわざ帰国して、話題になったことがあります。大リーグで活躍するイチロー選手は、1日5回、歯を磨くともいわれています。また、わが国のトップレベルの選手を調べたところ、一般人の人よりもむし歯が少なく、未処理の歯もほとんどありませんでした。

プロ野球選手が試合中にガムを噛んでいるのは、脳への血流を活発にして集中力を高め、より瞬発力を発揮できるようにするためだとか。スポーツをするときは、しっかり奥歯を噛み締めるとよりパワーが出るといわれています。
個人差もあると考えられますが、一般人成人男子の総咬合力を測定したところ、90kg・f(重量キログラム)であったという研究報告もあります。スポーツ選手は一般の人とくらべて噛む力が強くなっています。とくに、姿勢を安定させて集中力を高めることが大切なライフル射撃や、ボート競技の選手では、一般の人の3倍近くも咬合力があります。

咬み合わせは、からだのバランス感覚にも大切なことがわかっています。これは、歯と歯がきちんと咬み合うことで、頭の位置が固定され、腰の位置も安定するからです。
また、総入れ歯の人に、入れ歯を外した場合と入れ歯をした場合で直立してもらって、からだの揺れを調べたところ、入れ歯をしているとほとんどからだが揺れないのですが、入れ歯を外すとかなり揺れ幅が大きくなりました。

これらのことから、入れ歯をすると高齢者の転倒予防に効果があると考えられます。

健康で長生きするためには、歯とお口の健康がとても大切です。これは、食べ物から栄養を吸収するために歯が不可欠である、ということだけではありません。
よく噛める人は、生活するうえで必要な「起き上がる」「歩く」などの動作がスムーズなのです。また、歯が健康な人は、自由に外出できる人が多いこともわかっています。

よく噛める人は、生活活動の能力(ADL)も高いため、行動範囲も広がるのです。

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